きみへの想いを、エールにのせて
「龍平は、私が支える」
やっぱり、仲直りしているの?
「あなたよりずっと、私の方が彼を理解してる」
どれだけ競泳の勉強しても、長い間一緒に泳ぎ込んできた人には敵わない。
だから、真夜さんの言う通りかもしれない。
いたたまれなくなって立ち上がると、彼女は私を睨みつけてきた。
「ひとつだけ聞いてもいいですか?」
「なに?」
「卓君と、付き合っていたんですよね」
ストレートに聞くと、彼女は顔をしかめた。
「そうよ。でもちゃんと別れたわ。なにも問題ない」
「どうして、卓君と別れたんですか?」
結城君の方が優れた選手だったから離れていったと思っている卓君の考えを否定したくて聞いた。
でも……。
「どうしてって、龍平の方がずっと真剣に練習に励んでいたからよ。そういう人に魅かれるの、おかしい?」