きみへの想いを、エールにのせて
体って……そんなことしてない。
それなのに……。
「ふざけんな!」
「ふざけてなんかないさ」
なにかをあきらめたように投げやりな言い方をする卓君を前に、結城君の目の色が変わる。
「二度と茜に触れるな」
結城君の低い声が部室に響き渡る。
『茜』と初めて呼んでくれたのに、今はそれよりも……。
「それはどうかな。茜とは体の相性も最高だし」
どうしてそんな嘘をつくの?
結城君を挑発しているとしか思えない。
「てめぇ!」
「イヤーッ」
思わず目をそむけた瞬間、鈍い音がして卓君が倒れ込んだ。
結城君が殴ったのだ。
「なんでそんなに怒ってるんだ。お前には真夜がいるんだろ?」
殴られたというのにニヤリと笑う卓君の胸倉を、結城君が再びつかんで立ち上がらせ……。