きみへの想いを、エールにのせて

私は、どこに進めば、いいの?

自分でもどうしていいのかわからなくなってしまった。


それからも卓君の練習に付き添うことを続けていた。
でも、ある日の帰り……。


「茜、最近変だな」

「なにが?」

「全然笑わない。結城と、なんかあった?」


ストレートすぎる質問に動揺してしまったけど、「なにも」と返事をした。


「アイツ、怒ってるんだろ?」


結局ミーティングをしないまま、試合は目前。


「次が、最後の試合かもな」


胸がきりきりと痛む。

ようやく立ち上げた水泳部が、数か月でなくなってしまうなんて、辛すぎる。


もう学校名でエントリーしている以上、次の試合にはリレーも出場するはずだ。

でも、卓君の言う通り、その次があるかどうかはわからない。
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