きみへの想いを、エールにのせて

【茜の気持ちは?】


理佐からも返事があった。
私の、気持ち……。


【雄介から電話させる】


雄介君? どうして?
すぐに震えた電話に出ると、『榎本さん?』という雄介君の声。


「はい」

『俺、龍平に話しちまった。ごめんね』

「ううん」


驚いたけど、いつかはバレること。


『龍平があんまり必死だったから』

「必死って?」

『もう、聞いたよね。あいつ、ずっと榎本さんのこと、好きだったんだ』


雄介君、そのこと知っていたの?


『俺、ふたりの気持ち知ってたから、すごく辛くて』

「ごめんなさい」


雄介君が板挟みになっていたなんて、今まで気がつかなかった。

でも、私が理佐や泉に相談するように、結城君も雄介君に相談していたのかもしれない。
< 328 / 374 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop