きみへの想いを、エールにのせて

次の日、私は結城君のスイミングクラブを訪れた。


「待ってたよ」

「うん」


玄関で雄介君と理佐が待っていてくれた。

ここに来るのに足が震えた。
もし結城君の腰が……と考えると怖くてたまらない。

でも、ふたりの真剣な思いは受け止めたい。


クラブに足を踏み入れると、真夜さんが私を見て駆け寄り……。


「なにしてんのよ! 本気で龍平つぶす気?」


きっと勝負のことを聞いたのだろう。
私に掴みかかってきた彼女を、雄介君が止めた。


「龍平が決めたんだ」

「でも!」

「コーチは承諾したんだろ? それくらい龍平の腰は万全ということだ」


100パーセントとは言えない。
でも、雄介君の言う通りかもしれない。

私は信じて見守るだけ。
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