きみへの想いを、エールにのせて
私、が……。
当たり前のことかもしれないけれど、激しく動揺する。
自分の気持ちははっきりとわかっている。
でも、それを本当に口にしていいのかわからない
「茜」
すると再び卓君が私の名を口にした。
「俺、真夜と同じだ。本当はわかってる」
「卓君……」
「お前は優しすぎる。今日俺が勝ったら、どうするつもりだったんだよ」
「フッ」と笑う彼は、私を優しく見つめる。
「俺は茜に救われた。もう、本当のことを言え」
「卓君……」
「ほら」
急かす彼に背中を押され……。
「私……」
目を閉じて大きく息を吐きだして……。
「結城君が、好き」
泣いちゃいけない。
そう思えば思うほど涙は流れてきてしまう。
「結城は? 茜の気持ちを受け止める自信はあるのか?」
「あたり前だ」
「だな」