きみへの想いを、エールにのせて
「もう一回、言っておこうかな」
「なに、を?」
「俺、茜が好きだ」
収まってきたはずの鼓動が再び勢いを増し、胸が苦しい。
やっと大好きな人と本音で向き合える。
「香川はああ言ってたけど、インターハイ連れてくのは俺だから」
彼はクスッと笑う。
まるで子供の張りあいだ。
でも……。
「リレーも必ず。茜が水泳部作ってくれたから、あとは俺たちの仕事」
「結城君……」
「やっと、手に入った」
吐き出すようにそう言う彼は、私を強く抱きしめた。
「ずっと茜のことばかり考えてた」
「ずっと?」
「そう。中学の頃から」
まさか、そんなに前から?
「茜、中学の時、特別棟から毎日毎日練習見ててくれただろ?」
「なんで、知ってるの?」
知られていないはずなのに。