きみへの想いを、エールにのせて
えっ! それがよかったの?
「それに、俺が水泳部だと知ってるってわかったとき、すごく舞い上がった。もしかして、俺のことを見てるんじゃないかって。相当前向きだよな、俺」
彼は恥ずかしそうに笑うけど、その通り。
私は結城君を見ていた。
「それに、予選から見に来てくれる子なんて初めてで……。茜が水泳のことを楽しそうに話しているのを見ていたら、俺もすごく楽しくて、いつの間にか好きになってた。いや、違うな。すぐに好きになった」
結城君の髪からポタリと水滴が垂れていく。
「でも、腰のことがあって……」
彼を真っ直ぐに見つめると、すごく辛そうな顔をして再び口を開いた。
「絶望ばかりだった。死ぬほど辛くて、茜にもあたった」
私は思わず自分から彼の腕に飛び込んだ。