きみへの想いを、エールにのせて

「り、龍平」

「はい。なに? 茜」


そう言いつつクスクス笑う彼は、「ヤベー、うれしいかも」とつぶやいた。


「茜もいいけど、チョコでもいいか?」

「ダメ。茜!」


彼と私にしかわからない特別の呼び方も、なかなかいいかも。
でもやっぱり、『茜』がいい。


「もう待ちくたびれた」

「なに、が?」

「茜のチョコチップクッキー、食べたい」


子供のようなことを口にする彼に、思わず吹き出す。


「それじゃあ大量に作ってあげる」

「マフィンもよろしく」

「そんなに食べるの?」


どちらからともなくつないだ手は、とてつもなく温かかった。

そして――。
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