きみへの想いを、エールにのせて
「それじゃあ、今日からは調整期間に入る。それぞれベストな状態で試合に挑めるように。1年生、サポートよろしく」
龍平がそう締めると、すぐに皆プールに向かった。
「調子いいね」
帰りはいつも龍平と一緒。
「うん。手ごたえがあるんだ。必ずインターハイに連れていくから」
「ありがと」
うれしくて彼の顔を見上げると、サッと手を握られて驚いた。
「茜のパワー、俺に分けて」
「でも、金づちだよ?」
「そんなこと関係ない。茜の情熱は、俺がインターハイに持っていく」
足を止め私を真っ直ぐ見つめる龍平は、私の手を更に強く握った。
「はいはい、そこのバカップル。公衆の面前でイチャつくのやめてくれない?」
「チッ。香川か」
そこにはまだ髪がびしょ濡れの卓君が。