きみへの想いを、エールにのせて

「マネージャーが緊張してるんじゃないよ」

「でも……」


インターハイに行けるとしても、3年生になってからだと思っていた。
でも、2年生で、もう可能な位置にいる。


「今日は俺たち、マネージャーのために泳ぐ」

「えっ?」


卓君のひと言に驚いていると……。


「茜が作った水泳部だ。栄光は全部お前にやる」


龍平がそう続くから、もう泣きそうになる。


「だからちゃんと見ておけ」

「うん」

「よし、皆手出せ」


龍平の手に皆の手が重なって……。


「南高校水泳部。いくぞ!」

「よっしゃあ」


こんな日が来るなんて。

たったひとりで始めた水泳部。
ビート板につかまりながら初めて泳いだバタ足。

まともに活動していないのに廃部の危機に陥って……色々あったけど、ようやくここまで来た。
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