きみへの想いを、エールにのせて

そしてそのまま表彰。

1500メートルで優勝した龍平は、卓君の言う通り、一番上が似合う。
彼はメダルをかけてもらうと、私の方にそれを掲げて見せた。

そして、リレー。

3位ではあるけれど、まったく無名だったチームがここに立っているのは奇跡的。

それでも奇跡ではない。
彼らが練習を積んだ証。


表彰台の上の脇田君が泣いている。
やっとプレッシャーから解放されたのだろう。

ごしごしと腕で目をこすると、隣の龍平が頭をガシガシ撫でた。


「皆……」


ひたすら更衣室の前で待っていると、4人は一緒に出てきて……。


「茜、やったぞ」


龍平が照れくさそうに言う。


「おめでとう、皆」


泣き止んだはずなのに、いくらでも涙が出てきてしまう。


「胴上げだ」

「うん。……えっ?」
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