きみへの想いを、エールにのせて

「うん。多分故障したんだと思う。だってあのスピードの落ち方、おかしいもん」


それに、支えられなければ歩けないというような様子だった。


「雄介に聞いてみようか」

「でも……」


しつこくしたら恋心がバレてしまう。


「だって結城君、茜が見に行ってるのは知ってるんでしょ? 心配だからって聞けばいいじゃん」

「……うん」


理佐はラインで雄介君に聞いている。


「まったくアイツ、全然返事ない!」


それから30分経っても返事はない。
私の部屋でテーブルにお菓子を並べていたけれど、誰も食べようとはしなかった。


「雄介君、その試合行ってなかったんなら、知らなかったかもよ」


泉が実に的を得た発言をする。

雄介君は残念ながら出場資格タイムを切れなかったと聞いている。
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