きみへの想いを、エールにのせて

理佐のリサーチで、やはり水泳は休んでいると聞いたけど、毎日何千メートルも泳ぎ込んできた彼が、何日も休むということがどれだけ大変なことなのか、競泳の経験のない私にはさっぱりわからなかった。


そして始業式。

昇降口に張り出された新しいクラス名簿に、結城君の名前を先に見つけた。
そして……。


「やった」


3年目にして初めて同じクラス。
泉や理佐とは別れてしまったけれど、心の中でガッツポーズ。


「茜」


初めて入った教室でドキドキしていると、廊下から理佐が私を呼んだ。


「おはよ。クラス違っちゃったね」

「うん、残念。でも、見たよ」


結城君と一緒だと気がついているのだろう。


「来てる?」


小声でそう囁く彼女に首を振る。
結城君はまだ。
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