きみへの想いを、エールにのせて
出席番号順に指定された席は、窓側の一番後ろ。
でも彼は廊下側の後ろから2番目。
かなり遠い。
ほとんど席が埋まってきたのに、結城君の席は空席だった。
「それじゃあ行くわ。またあとで」
「うん」
理佐と別れて再び席に戻ると、ドアをじっと見つめて動けなくなった。
結城君、回復しているだろうか。
雄介君の情報では、まだ泳いでいないらしい。
結局、始業時間ギリギリに、彼は現れた。
幸い普通に歩いているようだけど、もしかしたらコルセットはしているのかもしれない。
表情を変えず席に着いた彼は、なにをするとでもなくボーっとしている。
生気がなくなってしまったかのような彼の姿に胸が痛んだ。
程なくして、体育館への異動の放送がかかると、皆が一斉に立ち上がった。
新担任の発表は体育館で一斉に行われるからだ。