きみへの想いを、エールにのせて
それでもなかなか立ち上がらない結城君が心配だった。
私も同じように人の波が引くのを待ち、立ち上がると、結城君とふと目があった。
「チョコちゃん、同じクラスだったんだ」
「うん。よろしくね」
あの試合のあと、初めて聞いた彼の声。
少し安堵したものの、彼の顔色は冴えない。
「もしかして、JO、来てくれてた?」
先に話を切り出したのは結城君の方。
「……うん」
「優勝できなくてごめん」
そんなこと、謝ることじゃないのに。
「あっ、あの……」
ケガの具合を聞きたいけれど、私が知っているのもおかしくて口をつぐむと……。
「俺、もうダメかもしれない」
「えっ……」
ダメ?
彼の言葉に息を呑む。
「こら、早く移動せんか!」
「すみません」