きみへの想いを、エールにのせて
たった1分のために、彼らは毎日毎日辛い練習に励み、試合の1本にかける。
どれだけ練習で速く泳げていたとしても、試合で泳げなければ意味がない。
しかも、コンマ何秒の間に何人もが入るほどの接戦もよくあり、本当にタッチの差で、決勝に残れたり残れなかったりするのだから、過酷な競技だ。
全国大会は、長水路と呼ばれる50メートルプールで行われている。
しかも、こういうプールは水深が2メートル以上あるところがほとんどらしい。
私なら最後までたどり着かず、溺れること間違いなしだ。
「お願い!」
決勝は8人での争い。
その長い50メートルプールをターンした時点で、結城君は6番だった。
結城君以外は皆3年生。
その中で泳ぐことが、どれだけすごいことなのか。