きみへの想いを、エールにのせて
第2章
大きな挫折
それから3日後。
私は約束通りクッキーを作り、結城君に初めてのラインのメッセージを送った。
なんと書こうか迷い、何度も書いては消し……結局送ったのは【クッキーできました】のひと言だけ。
泉や理佐にならいくらでも書けるのに。
緊張したままスマホを手にしていると、10分ほどして返信があった。
【サンキュ。それじゃあスイミングに行く前に取りにいっていい?】
スイミング!
それじゃあまた泳ぎ始めたんだ。
彼の下した決断がうれしすぎて泣けてくる。
【うん。でももしよかったら、練習見にいってもいいかな?】
それはそれは勇気を出したメッセージ。
でもやっぱり迷惑かもしれないと、慌ててメッセージを削除しようとしたけれど、”既読”になってしまった。