きみへの想いを、エールにのせて
そんなにすぐ食べてくれると思っていなくて驚いたけれど、本当に楽しみにしていてくれたのかな、とうれしくなった。
「チョコちゃんも、ひとつ」
私にもクッキーを勧めてくれた彼は「チョコちゃん、お菓子作るのうまいよね」と褒めてくれる。
「結城君チョコ好きなら、他にもなにか作るよ?」
「ホント?」
これは社交辞令なのか本気なのか、どっちだろうと思いつつ、笑顔でクッキーを頬張る彼を見て、勝手に本気だと判断した。
これには、希望的観測も含まれているけど。
今度チョコチップマフィンを作ろう。
スイミングスクールは、歩いて15分ほどのところにあった。
「2時間泳ぐけど、途中で帰ってもいいから」
丁寧に観客席まで案内してくれた彼は、そう言うけれど……。
「ううん。最後までいていい?」
「もちろん」