きみへの想いを、エールにのせて
魚、みたい。
水が彼と戯れるのを喜んでいるようにすら見える。
結城君の泳いでいる姿をまた見られることの幸せ。
やっぱり彼は辞めちゃいけない。
泳いでいるだけで感動するほど美しい。
でも、しばらくすると腰が痛むのか、プールサイドに上がってしまった。
そして、コーチにマッサージをしてもらっている。
きっと思うように泳げなくてもどかしいだろう。
それでも再び表彰台に立つために努力している彼に、頭が下がった。
2時間はあっという間だった。
選手が続々と着替えて出てくるのを待っていると、「お待たせ」と結城君も出てきた。
「ほんとに2時間いた」
「うん。もちろんだよ」
結城君は思ったより元気だった。
途中で自ら上がらなければならないほどの状態に、落胆しているかもしれないと思ったのに。