きみへの想いを、エールにのせて
それがわかっているからこそ、焦っているのだろう。
「でも、腰がひどくならないか心配」
「うん。今はこの爆弾とうまく付き合っていくしかないけどね」
彼はにっこり笑ってみせるけど、きっと内心は穏やかではないだろう。
「私、なにもできないけど、ずっと応援してるから」
もしも彼がすぐに試合に復帰できなくても、ずっと。
「俺が、表彰台乗れなくても?」
突然歩みを止めた結城君は、表情を硬くした。
「もちろんだよ。頑張ってる結城君が……」
「それじゃ、意味ないのに?」
私の言葉を遮った彼は、すぐに「ごめん」と謝ってくれたけれど……彼の複雑な胸の内を覗いてしまった気がした。
「私こそ、ごめん」
結城君にとっての表彰台の意味は、苦しい練習をやったことのない私にはわからないのかもしれない。