秘密のカレはV(ヴィジュアル)系
「あ…そうだ…!」
さゆみが何かを思い出したように顔を上げた。
「ねぇ、昨日のライブに、サラリーマン風の人が来てたの、気付いてた?」
「え?」
言われてみれば確かにいた。
スーツ姿の二人連れが…
真面目そうで、しかも片方の人はけっこう年配で…
とてもシュバルツのファンには見えない二人だったから、すぐに思い出すことが出来た。
「あの二人がどうかしたの?」
「そっか、やっぱりいたんだ。
私は気付かなかったんだけど…
昨夜、キラさんからのLINEで聞いたんだけど…
あの二人…もしかしたら、レコード会社の人じゃないかってうわさがあるらしいよ。」
「レコード会社…って、まさか…」
さゆみは力強く頷く。
「そうよ、もしかしたらついにシュバルツもメジャー行きかもしれないよ!」
「ほ、本当!?」
「うん…多分ね…
だって、シュバルツは人気もあるし、実力だってあるし…
メジャーに行っても不思議はないもん。
でも……」
さゆみの言葉が途絶え、その顔に影が差した。
「でも…って…さゆみ、いやなの?
シュバルツのメジャーデビューに反対?」
「反対ってわけじゃないよ。
……でも、寂しいじゃない。
メジャーに行ったら、今よりもずっと遠いところにいくみたいでさ…
そうなったら、もう、多分、出待ちして一緒に写真撮ったりなんて出来ないよ。
でも…彼らにとったらメジャーデビューは夢だろうし、それを応援したい気持ちもあるんだ。
だから…とっても複雑なんだよ。
キラさんも同じようなこと言ってたよ。」
さゆみが何かを思い出したように顔を上げた。
「ねぇ、昨日のライブに、サラリーマン風の人が来てたの、気付いてた?」
「え?」
言われてみれば確かにいた。
スーツ姿の二人連れが…
真面目そうで、しかも片方の人はけっこう年配で…
とてもシュバルツのファンには見えない二人だったから、すぐに思い出すことが出来た。
「あの二人がどうかしたの?」
「そっか、やっぱりいたんだ。
私は気付かなかったんだけど…
昨夜、キラさんからのLINEで聞いたんだけど…
あの二人…もしかしたら、レコード会社の人じゃないかってうわさがあるらしいよ。」
「レコード会社…って、まさか…」
さゆみは力強く頷く。
「そうよ、もしかしたらついにシュバルツもメジャー行きかもしれないよ!」
「ほ、本当!?」
「うん…多分ね…
だって、シュバルツは人気もあるし、実力だってあるし…
メジャーに行っても不思議はないもん。
でも……」
さゆみの言葉が途絶え、その顔に影が差した。
「でも…って…さゆみ、いやなの?
シュバルツのメジャーデビューに反対?」
「反対ってわけじゃないよ。
……でも、寂しいじゃない。
メジャーに行ったら、今よりもずっと遠いところにいくみたいでさ…
そうなったら、もう、多分、出待ちして一緒に写真撮ったりなんて出来ないよ。
でも…彼らにとったらメジャーデビューは夢だろうし、それを応援したい気持ちもあるんだ。
だから…とっても複雑なんだよ。
キラさんも同じようなこと言ってたよ。」