秘密のカレはV(ヴィジュアル)系
side かおり
*
「とっても素敵なお店ですね。」
「そうでしょう。
味も抜群なんですよ。」
藤堂さんが連れて行ってくれたのは、小ジャレたイタリアンのお店だった。
明るい色調でまとめられた店内にはカンツォーネが流れ、気さくな雰囲気だ。
「北川さん…ぜひ、聞かせて下さい。
どうして僕なんかを誘ってくださったんですか?
彼氏さんとはどうなったんです?」
「ええ…実は…
こんなことを言っては酷い女だと思われるかもしれませんが…その子は私よりずいぶん年下で、元々、ちょっとした気まぐれで付き合っただけなんです。
最初から本気ではなかったんです。」
そう言ったのはちょっとした賭けだった。
もしかすると、その一言で藤堂さんは私のことを嫌いになるかもしれない。
遊びで若い男と付き合うなんて、いやな女だと思われるかもしれない…
「なるほど。それで、その彼のことはもう飽きたってことなんですね。」
「飽きたというか、重くなって来たんです。
それに……若い子はやはり疲れます。
無理して合わせて来ましたが、なんだかもう疲れちゃって…」
「それで、おじさんの僕を誘って下さったってことなんですね。」
「そんな、おじさんだなんて…
そんなことおっしゃったら、私だっておばさんですわ。」
私がそう言うと、藤堂さんは、おかしそうに笑った。
「とっても素敵なお店ですね。」
「そうでしょう。
味も抜群なんですよ。」
藤堂さんが連れて行ってくれたのは、小ジャレたイタリアンのお店だった。
明るい色調でまとめられた店内にはカンツォーネが流れ、気さくな雰囲気だ。
「北川さん…ぜひ、聞かせて下さい。
どうして僕なんかを誘ってくださったんですか?
彼氏さんとはどうなったんです?」
「ええ…実は…
こんなことを言っては酷い女だと思われるかもしれませんが…その子は私よりずいぶん年下で、元々、ちょっとした気まぐれで付き合っただけなんです。
最初から本気ではなかったんです。」
そう言ったのはちょっとした賭けだった。
もしかすると、その一言で藤堂さんは私のことを嫌いになるかもしれない。
遊びで若い男と付き合うなんて、いやな女だと思われるかもしれない…
「なるほど。それで、その彼のことはもう飽きたってことなんですね。」
「飽きたというか、重くなって来たんです。
それに……若い子はやはり疲れます。
無理して合わせて来ましたが、なんだかもう疲れちゃって…」
「それで、おじさんの僕を誘って下さったってことなんですね。」
「そんな、おじさんだなんて…
そんなことおっしゃったら、私だっておばさんですわ。」
私がそう言うと、藤堂さんは、おかしそうに笑った。