秘密のカレはV(ヴィジュアル)系
*
「食後のデザートは何にする?」
「藤堂さんにおまかせするわ。」
「もうっ!」
藤堂さんが渋い顔をする。
私にはその顔の意味がわからなくて、小さく首を傾げた。
「藤堂さんじゃなくて、ふ、み、や!…でしょ?」
「あ……ごめんなさい。」
「早く慣れてよね。
普段からの癖って、つい出てしまうものだから。」
「そ、そうよね。
ごめんなさい…ふ、みや…」
なんだか、照れくささと同時に後ろめたさのようなものを感じた。
寂しさのようなものも感じた。
私は、こうやって少しずつ瑠威から離れて行ってるんだって…
シナリオはもうほとんど出来上がっていた。
シュバルツのメジャーデビューが本決まりになったら、私は瑠威に別れを切り出す。
藤堂さんとは、もう一年ほど前から付き合っていて、今は藤堂さんにぞっこんだということにする。
もしも、それでも瑠威が食い下がって来たら、藤堂さんは瑠威に会って話を付けるとまで言ってくれている。
私達は敬語で話すのもやめた。
お互いのことは、かおり、ふみやと呼び合うことに決めた。
だけど、まだうまく出来ない。
藤堂さんが、私のことをかおりと呼ぶことには何となく慣れてはきたけど、彼のことを名前で呼ぶことにはまだ抵抗がある。
なぜだろう?オルガやクロウやケインのことは、ごく自然に名前で呼べるのに…
「食後のデザートは何にする?」
「藤堂さんにおまかせするわ。」
「もうっ!」
藤堂さんが渋い顔をする。
私にはその顔の意味がわからなくて、小さく首を傾げた。
「藤堂さんじゃなくて、ふ、み、や!…でしょ?」
「あ……ごめんなさい。」
「早く慣れてよね。
普段からの癖って、つい出てしまうものだから。」
「そ、そうよね。
ごめんなさい…ふ、みや…」
なんだか、照れくささと同時に後ろめたさのようなものを感じた。
寂しさのようなものも感じた。
私は、こうやって少しずつ瑠威から離れて行ってるんだって…
シナリオはもうほとんど出来上がっていた。
シュバルツのメジャーデビューが本決まりになったら、私は瑠威に別れを切り出す。
藤堂さんとは、もう一年ほど前から付き合っていて、今は藤堂さんにぞっこんだということにする。
もしも、それでも瑠威が食い下がって来たら、藤堂さんは瑠威に会って話を付けるとまで言ってくれている。
私達は敬語で話すのもやめた。
お互いのことは、かおり、ふみやと呼び合うことに決めた。
だけど、まだうまく出来ない。
藤堂さんが、私のことをかおりと呼ぶことには何となく慣れてはきたけど、彼のことを名前で呼ぶことにはまだ抵抗がある。
なぜだろう?オルガやクロウやケインのことは、ごく自然に名前で呼べるのに…