秘密のカレはV(ヴィジュアル)系
side 瑠威
「明日は、新曲どうする?」

「やってみても良いんじゃないか?」

「そうだけど、もしかしたらまたレコード会社の人が来るかもしれないだろ?
今のクオリティで大丈夫かな?」

「大丈夫だって!何?まだギターソロで悩んでんの?」

「まぁな…もうひとつ納得がいかないんだ。」

明日のライブに備えて、俺たちはスタジオにこもり、リハーサルとミーティングを重ねていた。



「セットリストは変更なしだよな?」

「あぁ、新曲を4曲目に入れるか、LIARでいくか…
そこだけだな。」

「そういや、瑠威…新曲のタイトルは決まったのか?」

「それがまだなんだよな。」

「なんだ、瑠威もまだ決まってないのか。
じゃあ、明日はやっぱりやめとくか?」

「タイトルなんてなくても演奏は出来るじゃないか。」

皆が口々に意見を言い合う。



「じゃあ、とりあえず、新曲をもう一回やってみようぜ。」

「よっしゃ!」

新曲は印象的なオルガのギターで始まる。
このフレーズはオルガも気に入ってるらしいが、ソロの部分がまだ納得がいかないらしい。



「♪ 誘惑するよなその視線~
罠に落ちた獲物のように~俺は動くことも出来ない~」



激しいリズムに乗って、俺は最高音域で歌いまくる。
オルガの作る曲は、いつも俺にかなりの無理をさせる。
だけど、その音が出せた時は本当に気持ちが良い。


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