秘密のカレはV(ヴィジュアル)系




鳴りやまないアンコール…
今夜の客は飛び切り熱い。



「どうする?」

「三度目のアンコールは考えてなかったよなぁ…」

「時間ももうやばいんじゃないか?」

「でも、まだあんなに叫んでる…」

ホールからの「アンコール!」のかけ声と足を踏み鳴らす音が、離れた楽屋にも聞こえてくる。




「よし!じゃあ、もう一曲だけやるか!」

「何やる?」

「Burning、もう一回やろうぜ!」




俺達は、楽屋を出て、再びステージに戻った。
観客たちのやかましいほどの歓声に出迎えられた。



「本当におまえらしつこいな!
そんなしつこいおまえらが、大好きだぜーーーー!」

俺の一言にまた客席がわき上がった。



「それじゃあ、もう一回、新曲のBurning Nightいくぜーーー!」



最高潮に盛り上がる客席…
今夜最後の曲が始まった。
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