秘密のカレはV(ヴィジュアル)系
「それじゃあ、もうかお姉のことは心配ないな。
あ、結婚式の日取りとかもう決まってんのか?」

「実は…まだなんだ。」

「まだって…これからで間に合うのか?
ま、そんなに大した式じゃないなら、レストランでもどこでも出来るだろうけど、家の人たちはどう言ってるんだ?」

「ん~…
やっぱ、家には言わなきゃだめかな?」

後ろめたさを隠すように、俺はちょっとおどけて訊き返した。



「だめって…言わないつもりだったのか?」

オルガの呆れきった顔…
そうだよな、親に何も言わないなんて、やっぱり普通じゃないよな。
それに式もある程度ちゃんとしたことをしてやらないと、かおりが可哀想だ。



「そういえば、指輪はもう贈ったのか?」

「……それも……まだ…」

「えーーーっ…!?」

「あ、金はちゃんと用意してあるんだ。
だけど、メジャーの契約してから渡そうかなって思ってたから、まだ買いに行ってなくて…」
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