秘密のカレはＶ(ヴィジュアル)系

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「瑠威…オムライスでもつくろっか？」

「いや、い……そうだな。
頼むよ。」

望結は、俺達のやりとりを見ていたらしく、気を遣っている。
何か食べたいって言ったのは本心ではなかったけれど、望結の顔を立てて、何か作ってもらうことにした。



かおりは寝室に閉じこもったまま、あれから出て来ない。



「望結…ごめんな。」

「ううん……
ママと喧嘩でもしたの？」

「……まぁな。」



望結が作ってくれたオムライスを食べながら、俺は考えていた。
本当に来るんだろうか？
かおりの恋人は…
そいつは一体どんな奴なんだろう？
きっと、知り合いか誰かに恋人役を頼んだんだろう…
いや、たとえ、それが本当にかおりの恋人だったとしても、それがどうだっていうんだ。
そんなのは一時の気の迷いにきまってる。
俺は、かおりとは絶対に離れない。



それはさっきの口づけでも実感した。
あんなにいやがっていても、かおりの唇は俺を拒んではいなかった。
いつもと変わらない愛を感じた。
それが、たとえ俺の思い込みだとしても…俺は自分の感覚を信じる。