秘密のカレはV(ヴィジュアル)系




「おはよう。」

「おはよう。」

瑠威がリビングに現れたのはいつもと同じく昼過ぎのことだった。
まだどこか眠そうな顔してる。
瑠威は完全な夜型で、明るいうちは調子が出ないってよく言ってる。



「お昼、何にする?」

「う~ん……あんまり食欲ないんだけど…」

「だめ!瑠威にはちゃんと食べさせないと、叱られるのは私なんだから。」

「はいはい。じゃあ…望結にお任せ。」

面倒くさそうにそう言うと、瑠威はソファにぐたーーっと寝そべって、ぼんやりとテレビに目をやった。



ママがいない時は、私が瑠威の世話をしている。
何でこんなことまで私が…?って思うこともあるけど、ママには女手一つで育ててもらい、今もまだ全面的にお世話になってるものだから、その恩義に報いるためにも、ママの言いつけは守らないといけないわけで…



それに、最初はちょっとだけ楽しくもあった。
だって、瑠威みたいなイケメンに、料理を作って出すなんて…
気分が悪いはずがない。
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