秘密のカレはV(ヴィジュアル)系
side 瑠威
「瑠威…私は本当に大丈夫だから…」

「わかった、わかった。
さ、着替えたら早く横になって。」

そう言いながら、俺はかおりの着替えを手伝った。



「もう……
そんなことより、瑠威、何か食べて来たの?
お腹減ってるんじゃないの?」

「大丈夫だよ。
さ…」

かおりは渋々ベッドに身を横たえた。



「瑠威…もういいから…」

「眠るまで傍にいるよ。」

「傍にいられたら、却って眠れないよ。」

「……わかったよ。」

本当につれないことを言う…
俺はいつだって、かおりの傍にいたいのに…


でも、もしかしたら、そのくらい具合が悪いのかもしれない。
ひとりになりたいのかもしれない。
だったら、彼女の言うことを聞いてやるべきだ。



俺は後ろ髪をひかれながらも、そう考えてそっと寝室を離れた。


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