秘密のカレはV(ヴィジュアル)系
*
「あ、瑠威……
ごはん、食べる?」
やっぱり親子だな。
望結がかおりと同じことを言った。
「じゃ、ちょっとだけ…」
俺が食べないと、きっとかおりも心配するから、一応食べておくことにした。
「ママの具合はどう?」
鍋を火にかけながら、望結が訊ねた。
「うん、本人は大したことないって言ってる。
ま、確かに熱はないんだけどな。」
「そっか、じゃあ、大丈夫なのかな?
今は寝てるの?」
「うん、俺がいると眠れないって追い出された。」
「そうなんだ…」
望結はくすっと笑った。
「……今日のライブはどうだったの?」
「バッチリ!…と、言いたいとこだけど…」
「良くなかったの?」
「いや…かおりが来てなかったから寂しかっただけ。」
「……はいはい、ご馳走様。」
望結の呆れ顔に、思わず笑みがこぼれた。
「なぁ、望結も一回くらい見に来いよ。」
「や、やだよ。なんか怖いし。」
「何も怖くないって。
かおりと一緒に来れば心配ないだろ。」
「あ…あのね…
私の友達の家、喫茶店やってるんだけど…クロウさんがよく来てたんだって。
そ、それに、瑠威も来たって言ってたよ。」
「喫茶店?どこの?」
「えっと…北岡町の……」
(北岡町…?)
俺は記憶の糸を手繰り続けた。
「あ、瑠威……
ごはん、食べる?」
やっぱり親子だな。
望結がかおりと同じことを言った。
「じゃ、ちょっとだけ…」
俺が食べないと、きっとかおりも心配するから、一応食べておくことにした。
「ママの具合はどう?」
鍋を火にかけながら、望結が訊ねた。
「うん、本人は大したことないって言ってる。
ま、確かに熱はないんだけどな。」
「そっか、じゃあ、大丈夫なのかな?
今は寝てるの?」
「うん、俺がいると眠れないって追い出された。」
「そうなんだ…」
望結はくすっと笑った。
「……今日のライブはどうだったの?」
「バッチリ!…と、言いたいとこだけど…」
「良くなかったの?」
「いや…かおりが来てなかったから寂しかっただけ。」
「……はいはい、ご馳走様。」
望結の呆れ顔に、思わず笑みがこぼれた。
「なぁ、望結も一回くらい見に来いよ。」
「や、やだよ。なんか怖いし。」
「何も怖くないって。
かおりと一緒に来れば心配ないだろ。」
「あ…あのね…
私の友達の家、喫茶店やってるんだけど…クロウさんがよく来てたんだって。
そ、それに、瑠威も来たって言ってたよ。」
「喫茶店?どこの?」
「えっと…北岡町の……」
(北岡町…?)
俺は記憶の糸を手繰り続けた。