消えた帽子の行方






『えーっと…ここは?』

『駐車場』


『いや、見りゃわかりますけど』


『なんで私ここにいるんですか?』


私が尋ねると青年は頭を抱えながら


『あー…、頭打ったのか?病院行くか?すぐそこにあるけど』


『そうではなくて!』


『は?』


ますます青年は奇訝そうに私を見つめた


『あ、えっと…私どういう風にしてここにいたんでしょうか』


『どういうって…普通に倒れてたよ』


『濡れてたとかは?』


『…なんで?雨降ってねーじゃん』


青年は頭上を指差した。しかもらあきれ顔で。




どうなっているんだろう…


確かに私はあの時飛び下りたはず…


なのに濡れるどころか傷1つない


あの辺りの海流は速いけれど、こんな住宅地にはどうやっても流れ着かない


じゃあやっぱり…



『私死ねたんだね』


『もしもし頭を強打した人がいるんですけど』

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