消えた帽子の行方


吉井さんはカオルくんのチョコをパキッと割っている


カオルくんはその割ったチョコを私の前に並べる

チョコは規則ただしい長方形だ


『ありがとう』


私がお礼を言うと


『兄ちゃんはチョコ割るの得意なんだよ』


カオルくんはそう言うと、ヘヘっと自慢気に笑った










ふと部屋の壁に掛かっているカレンダーに目を向けた



今日は何日だっけ?


確かクリスマスの1週間前だから…




そこで私は違和感を感じた


大きく「12月」と書かれた横には





「2006」



の文字があった
< 15 / 24 >

この作品をシェア

pagetop