消えた帽子の行方
吉井さんはカオルくんのチョコをパキッと割っている
カオルくんはその割ったチョコを私の前に並べる
チョコは規則ただしい長方形だ
『ありがとう』
私がお礼を言うと
『兄ちゃんはチョコ割るの得意なんだよ』
カオルくんはそう言うと、ヘヘっと自慢気に笑った
ふと部屋の壁に掛かっているカレンダーに目を向けた
今日は何日だっけ?
確かクリスマスの1週間前だから…
そこで私は違和感を感じた
大きく「12月」と書かれた横には
「2006」
の文字があった