消えた帽子の行方
高校は地元の私立の女学院へ進学した


理由は特にないが、あえて言うなら母親の意向だ



母親は私が中学に入った頃から私の兄と仲が悪かった



一度刃物を取り出したこともあった




兄を殺そうとしたのではなく、兄に殺させようとしたのだ



何度も「私を殺せ」と呟いていた




それを目撃してから私は母に逆らわないようにしている




大切な家族を失わないために私は自分の意思を犠牲にした





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