突然来た同居人。



「あんたたち、お弁当まるっきり一緒ね。」



紗希があたしと碧のお弁当を見ながら言った。



「そりゃね。あたしが作ってるし。」




中身は一緒で当然。



「碧、量足りる?


もっとほしい?」




「んー、大丈夫。


日によって違うけど腹へったらパン買うし。



これで大丈夫だよ。」




「そっか、よかった。」



そんな話をしていたら突然クラスの女の子が近づいてきた。



「ねぇ……神波くん。


秋月さんに告白したって本当?」


………それはいったいどういう意味ですか。



「うん、そうだけど。


それがなに?俺が好きだったら変?」



「や、別にそういうわけじゃなくて……


秋月さんっていい噂聞かないし…。」



……この子同じ中学だし、中学の頃のこといってんのかな。



「………それって噂でしょ?


事実じゃないじゃん。


嘘の噂で人のこと傷つけるのやめなよ。


芽依がどんな子かも知らないで。」



「碧、いいよ。」




あたしは知っててほしい人にちゃんと知ってもらえてる。


それだけで十分。



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