突然来た同居人。
「ごめん、先行くね。」
あたしはそれだけ言い、食べかけのご飯を片付けて歯を磨き、家を出た。
ちょうどそこに紗希がきた。
「おはよ、紗希。
どうしたの?」
「おはよ。
あのねー…」
話を聞くと啓介くんがテレビを見て「この子好き」って言ったことが原因だった。
「………それくらい良くない?
だめ?」
「あたしは嫌なの!
神波くんがそんなこと言ったら嫌じゃない?」
「うーん……。
確かに嫌かも。
思っても口には出さないでほしい。
とくにあたしの前では。」
「でしょ!?
で、朝からケンカ。」
「そっかー。
てかね、あたしもケンカ中。
ケンカっていうか気まずいだけだけど。」
「え、はや!
なんで?」
あたしは昨日の出来事を詳しく話した。