突然来た同居人。




あたしは部屋に戻り、一人でボーッと碧からもらった指輪を眺めていた。



ママが家にいるときはなるべくそばにいるあたしだけど


今はそれどころではなかった。


コンコン…


「俺。開けるよ。」


突然碧が部屋にきた。



「なに?」



「今から啓介んち行こ。

芽依も一緒に。


早めにいっておこうと思って。


今家にいるっていってたし

クリスマスだから井上もいるだろ。」



「うん、わかった。」


あたしは必要最低限の荷物を小さな鞄に入れ、

コートを取り碧と家を出た。



「なんか、クリスマス指輪にしてよかったな。

近くに感じられる気がする。」



「うん、そうだね。

指輪見ていつも碧を思い出すね。」



少しでも明るく言わないと


涙が溢れてきてしまいそうだ。



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