突然来た同居人。
「よう、啓介。」
碧は啓介くんの家につくと
インターホンも押さずにドアを開け、
お邪魔しますと言って啓介くんの部屋を
ノックもせずに開けた。
よく来るんだな…。
「おう。
どうした?いきなり。」
啓介くんも何も言わないしね…。
「すっげーいきなりなんだけどさ
俺転校するから。」
「は!?いつ?」
「3月。
東高は今年度いっぱいだな。」
「そっか。
福岡か?」
「まあな。」
「よくいく決心ついたな。
夏のときは荒れてたくせに。」
「芽依に言われた。
親と過ごせるのは今だけだって。
芽依に言われるとな…。
いつも会いたいのに我慢してるの知ってるから
甘えてられねーなって思って。」
「ずっと向こうにいるのか?」
「いや、大学はこっち受ける。
だから1年だけなんだけどな。」
「そ、ならよかったわ。
夏、帰ってこいよ。」
「おう。
あとさ、3人以外には言わないから。」
「3人?」
「いや、わかれよ。
ここにいる3人。
啓介と井上。
あと芽依な。」
「あぁ、なるほど。
つーことは口止めってことね。」
「そういうこと。
俺終業式まで普通に過ごすし。」
「りょーかい。」
「じゃ、俺と芽依帰るから。」
それだけ言ってあたしたちは家へ戻った。