突然来た同居人。
そして明後日はバレンタイン。
あたしは何がいいかなと雑誌を見ながら悩んでいる。
「俺ガトーショコラが好き。」
あたしが教室で一人で悩んでいたら
突然そんな声が聞こえた。
「碧、どうしたの?」
「暇だから。
もう少しで三学期終わりだから思い出。」
「………そっか。」
「そんな顔すんなよ。
3年もあるだろ?
ま、受験生だけどさ。」
………その3年に碧はいないから…。
それを知ってるあたしは寂しくて仕方なかった。
「………いつ行くの?」
あたしはまだ出発する日を聞いていない。
聞けずにいたんだ。
「…3月4日。」
4日………終業式の次の日だ。
もう、本当に時間がない。
「ごめんな。いろいろやることがあって…。」
「ううん。何となくそんな気してたから。」
一緒にいられるのはあと半月と少しだ。