突然来た同居人。



「あたしが行きなって言った。

最初は碧、嫌がってたけど………。


あたしが行くように言ったの。」



「は、なんで?

付き合ってんのになんで……」


駿くんは怒ってる。

たぶん、あたしに対してと、

何も言わずにいなくなった碧に。



「………それがいちばんいいと思ったから。」



「なんで知ってたのになにも言わなかったんだよ!」



………心が、痛いです。



「やめろ、駿。

言うなって言ったのは碧だ。


碧がいなくなって辛いのは秋月も一緒だ。」


啓介くん……。



「………啓介も知ってたのかよ。

なんで俺らには言わなかったんだよ…。」



「言ったらお前らが悲しむから。

碧はいつも通りお前らと過ごしたかったから。」



「じゃあなんで啓介には言ったんだよ……!」



「俺は、秋月の友達の彼氏だからだろ。

秋月の友達に伝えるついでに俺にも、

ってのが正確だろうな。

紗希にも黙ってたら秋月、一人で抱え込むから。


それに、俺が知ってないと

お前らがこうやって秋月を責めたとき

庇うやつがいなくなるだろ。


碧はそこまで考えてたんだ。

だから、秋月を責めるな。」



啓介くんがここまで言うと、駿くんは黙った。



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