突然来た同居人。
「よ。久しぶり。」
『碧、なんでなんにも言わねーんだよ。』
「言ったらお前なんか特に落ち込むだろ、
そういうのが嫌だったから。
だから芽依にも啓介にも口止めをした。
勝手にいなくなったのは俺なんだからな。
あいつらは悪くねーから。
つーか俺すぐそっち帰るから。
また遊ぼうな。」
『………おう。』
「そんだけ、じゃーな。」
「碧、東京戻んの?」
電話を切ると翔平が話しかけてきた。
「卒業したらな。
彼女と約束してるし。
つーか1年だけって約束でこっちきたから。」
「彼女、反対しなかったわけ?
すげー離れるじゃん。」
「反対するどころか嫌がる俺の背中を押した。
親といられる時間は限られてるんだって。
彼女、親とはあんま一緒にいられないから。」
「ふーん、すげー出来た子なわけね。」
「そ。勉強もできるし。
料理もすっげーうまいし。
俺めっちゃ釣り合ってないって言われたしな。」
「系統が違うよな。
碧、見た目軽そうだし。
イケメンだけど。」
「嬉しくねーよ。」