突然来た同居人。
疲れた……。
早く帰んないと碧に疑われるじゃん………。
あーもー!なんなのよ!
「だーれーかー!!」
あたしは思いっきり叫んだ。
はぁ、もう疲れたよ。
陸上部とかいないの?
「誰かいる?」
外から声が聞こえた。
しかもこの声……
「啓介くん!?
あたし、芽依!秋月芽依!
お願い、開けて!」
「秋月か!?
ちょっと鍵持ってくるから待ってろ!」
よかったー……
まだ一時間しかたってないし、碧には委員会の仕事させられてたって言えばいいよね、うん。
「お待たせ、秋月!」
啓介くんが鍵を開けてくれた。
「はぁぁぁぁぁ、よかったぁぁ。」
ドアが開いて一気に脱力した。
「おい、大丈夫か?立てるか?」
「うん、大丈夫。
ありがとう。助かったよ。」
「なんで閉じ込められてんだよ。」
う……それは…。
「なんでだろうね。」
「ハハ、嘘下手すぎ。
いじめ?」
「………碧には言わないで。」
「え、碧のせいなの?」
「ううん。違うけど。
でもきっと言ったら自分を責めるから。」
「一緒に住んでることがバレた?」
「ううん、土曜日一緒に出掛けてるとこを見たこがいて、それが気にくわなかったみたい。
近づかないでって言われたの。
それだけ。」
「………碧には言わねーんだ?」
「うん。
だから啓介くんも言わないでね。」
「わかった。
送るよ。」
「あ、待って。
まだこれ途中なの。」
あたしは先生に頼まれた仕事を終わらせ、啓介くんと帰った。