突然来た同居人。
「あんたに名乗る名前はないわ。」
………じゃあその他大勢決定です。
「で、なに?」
もういい加減にしてよ。
「昨日、神波くんには近づくなって言ったの、忘れたの?
昨日の夜も一緒に歩いてたでしょ。」
「なんで田辺さんに決められなきゃいけないの?
あたしはいたいからいるの。
田辺さんはなんの権限があってそんなこと言うの?」
田辺さんが好きなんてあたしには関係ない。
あたしだって碧が好きだ。
「……神波くんが迷惑してるわ。」
「それは嘘だね。」
だって碧から誘ってきたんだから。
「嘘じゃないわよ。」
「じゃあさ、碧から言われたら離れるよ。
碧に直接言うように言えば済むよ。」
「………わかったわ。」
それだけいって田辺さんは去っていった。