クリスマスなんていらない
しばらくして客が散らばった後、スタッフ専用のドアから演奏を終えた玲恩が姿を現した




すると手招きをして呼ばれた為、マスターの方をチラッと見ると、顎で行けと許可をくれた




「失礼します」と一言会釈してお礼をし、玲恩がいるスタッフ専用のドアの中へと入って行く




楽屋の方まで案内してもらい、椅子に座らせてもらう




玲恩「どうだった? 俺達のステージは」




シャツの二つ目までボタンを開け、タオルで汗を拭きながら尋ねる





美雪「もう最高でしたっ!!
こんなに感動したの始めてですっ!!」




興奮しながら感想を伝えると、「それは良かった」と満足そうに頷いた




玲恩「俺達毎週ここで今みたいにステージ借り
て 、ああやって演奏させてもらってる
んだよ。」




なるほど、だから皆あんなに演奏が上手だったのか~~




美雪が勝手に自分で納得していると、玲恩が俯き加減に人差し指で鼻を掻きながら




玲恩「丁度ここに向かう途中、偶然、せっかく
のクリスマスイブだっていうのに、泣き
顔でトボトボあるいている君を見つけた
んだよね。それで、せっかくだからここ
に連れて来て、少しでも嫌な気持ちを
忘れさせてあげたいって思ったんだ」




苦笑いしながら美雪を連れて来た理由を説明すると、「迷惑だったかな」と心配そうに顔を覗き込んだ




















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