Happy Christmas♪


「ちゃんと聞いてよ」

口をつけようとしたグラスを取り上げて、 正面から隼人お兄ちゃんの顔を見て

「さっきも言ったように悠ちゃんは大好きだよ」

「陽菜ちゃん、案外残酷だな」

端正な顔に陰が差す。

「だから!悠ちゃんはお兄ちゃんの親友で私にも大切な友達で兄であることには変わりないよ。そして初恋の人であることも」

「……」

「それは悠ちゃんが結婚しようと私が本気で隼人お兄ちゃんに恋をしようと」

今の一言に大きく目を見開いた隼人お兄ちゃんが口を開ける前に

「誰だって初恋の思い出は大切なもんだよ。隼人お兄ちゃんだってそうでしょ?初恋の人のこと覚えてるでしょ?その人のこと今は恋愛感情はなくても懐かしい大切な思い出の人でしょ?その人に再会してもどうにかなりたいとか思わないでしょ?幸せでいてくれたらよかったって思うでしょ?一緒だよ私も。悠ちゃんが亜理砂先生と結婚したのも二人が幸せでいるのを見て私もよかったって思ってる。悠ちゃんに恋愛感情はもうないけど大好きなことに変わりはないし悠ちゃんが初恋の人でよかったって思ってる」

悠ちゃんに対する思いは、隼人お兄ちゃんに抱いてる気持ちとは全く違う。






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