Happy Christmas♪



「ハハハ…本当に陽菜ちゃんには参った」

口を塞いでいた手を掴まれ

「じゃあ、俺達は相思相愛ってことだ」

またいつもの茶化したような口調に戻った隼人お兄ちゃんに私も

「フフフ…そうだね」

心にあった小さなわだかまりみたいなものが消えていくような気がする。

「陽菜ちゃん」

「は、はい」

改まった真面目な響きに私も姿勢を正す。

「俺と付き合ってもらえますか?幼馴染みのお兄ちゃんと妹としてではなく一人の大人の男と女として」

「……」

「陽菜ちゃん?」

「お兄ちゃん、その前にもう一度言って?」

「何を?」

えっ? ち、ちょっと! こんな時に女がどんな言葉が欲しいか気がつかないの?

もしかして、お兄ちゃんって…鈍感さん?

「陽菜ちゃん、何?」

「……」

本当に分からないんだ。

えっと…隼人お兄ちゃんって今まで女性とお付き合いしたことないってことは…ないよね。

あ、もしかしてこの鈍感さん故に今まで結婚しなかったと言うか出来なかった?

隼人お兄ちゃんが結婚もしてなくて恋人もいなかったから私と…

って、じ、じゃあ、私と隼人お兄ちゃんって今日から恋人ってこと?

「キ、キャー」

「ひ、陽菜ちゃん、どうした?」

へっ?

あ、いけない。

場所柄もわきまえず奇声を上げてしまった。





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