Happy Christmas♪
「陽菜、ママは陽菜の味方よ」
「ママ?」
意地悪は止めましょうね。
これから高い厚い壁を撃破しないといけないんだから。
「隼人君が好きなんでしょ?そして隼人君も陽菜が」
「マ、ママ、何で」
陽菜の大きい目がこれ以上ないくらいに大きくなった。
「陽菜、ママは伊達に貴女のママを20年以上やってないわよ。貴女を見てたら分かるわ」
「パパには」
「パパは…貴女をまだ小さい子どものままだと思ってるふしがあるから」
恭介さんは陽菜をいつまでも自分の手元に置いておきたいんだもん。
「隼人君、お付き合いさせて下さいって言いに来たのよね」
「う、うん。明日のイヴを一緒に」
また頬の赤さが増した。
瞳はキラキラ輝いてるし。
恋する乙女そのものよね。
「いいわね。イヴを一緒に過ごすなんて。ママ独身時代に恋人とクリスマスを過ごしたことなんてないわ」
「えっ?パパ」
「パパとお付き合いを始めたのは春だし夏には結婚したもの」
どれが付き合い始めかは今となっては分からないけど。
「そうなんだ」
「二人の時間を大切にしなさい。隼人君は関西だし貴女もこれから就職で一緒にいられる時間は少ないんだから」
「うん、ありがとう。ママ大好き」
抱き着いてきた陽菜は恋する女ではあるけど私の可愛い大切な娘。
「ママも陽菜が大好きよ」