Happy Christmas♪
「陽菜ちゃん、乾杯しよう」
香川さんが席を離れて隼人お兄ちゃんがグラスを笑顔で私に渡す。
いつもと変わらず人懐っこいその笑顔に何だかドキドキ心臓が煩い。
「う、うん」
陽菜、いつまでも赤くなってるんじゃないわよ、しゃんとしなさい。
隼人お兄ちゃんの笑顔なんて見慣れてるでしょ。
一瞬きつく目を瞑り気合いを入れてる私を面白そうに見つめ
「じゃあ2日早いけどMerryChristmas」
「MerryChristmas」
カチンと合わせて一口。
「うん、美味しい」
「あぁ。パーティーでは飲まなかった?」
「うん、みんなで乾杯した時だけ」
「悪かったな、陽菜ちゃん一人で。気詰まりだったろ?」
『誰か誘うか』って聞いてはくれたんだけど私と隼人お兄ちゃんが幼馴染みってことを知らない友達を誘うのもまたややこしいし、パパとママに声をかけたんだけどお呼ばれだって言うから一人で参加した。
そのことを気にしていたもんね、隼人お兄ちゃんは。
やっぱり優しい。
「大丈夫だったよ。隣の席の人も一人で参加だったの。藍月選手の友達だって。何でも京都の高校の先生で野球部のコーチをしてるって。たまたまこっちに帰ってたから誘われて急遽参加したって言ってた」
気さくで話しやすい人だった。
高校の先生だからか話しも上手かったし。
「学生時代の藍月選手の話しを聞かせてもらったの。藍月選手いい友達がいていいね。あ、その先生もイケメンさんだよ。女子生徒にモテるんだろうな」
「ふぅ~ん」
シャンパンを一気に飲み干し再び注いでスペアリブにも手を出している。