NIA 〜紅い糸が切れるまで〜
「じゃあ…“オレ”が、
キミのNIAを開花してあげるよ」
部屋の中で、風が舞う。
カーテンが踊り、家具たちがガタガタと狂ったように揺れ出す。
なんなの、これ。
怪奇現象…そんなわけない。
こんなの、夢に決まってる。
「あら?怯えてる?
ハハッ…なんだか可愛いなぁ〜。
それに、キミってばスゴく美味しそう…先に味見させてもらおうかな☆」
味見…?
男は空いた片方の手で私の胸元のブラウスをはだけさせると、首筋をそっと撫でた。
素肌が外気にさらされで、自然と恐怖する。
そうだ。
怖いんだ。
この男が、怖くてたまらない。