NIA 〜紅い糸が切れるまで〜
「キミ、吸血されるのは初めて?
安心しなよ、優しくしてあげるから」
蕩けるほどにね…
と、甘く囁くと、ぐっと顔を私の首筋に埋めた。
舌が、肌を舐める。
身体が跳ねて、僅かに声が漏れた。
「ふふっ。抵抗しても無駄だよ。」
肌に、牙が当てられる。
驚くほど尖った感触に、全身から血が引いた。
今からこの牙が、私の肌を刺すんだ。
そう考えると、震えが止まらなかった。
「じゃ、いただきます」